食品ロス論ーその7食品ロスとの向き合い方

食品ロス論ーその1
その2食品ロスの定義
その3食品ロスの問題
その4環境問題を第一義とすべきでない理由
その5食料安全保障と食品ロス
その6経済問題としての食品ロスの続きです。

このテーマで話したかったことは、食品ロスという問題は非常に複雑であり「減らす」ことが唯一の目的ではない、ということです。
環境問題のみに限定した場合においても同様です。例えば冷凍加工や鮮度保持包装の利用で賞味期限を延ばしたところで、冷媒フロンは温室効果ガスを排出しますし、プラスチックごみが増えることを問題としている方も大勢います。

だからといって、何もしないわけにもいかない。
そのためには「食品ロスを減らす」ことを目的とするのではなく、「食品ロスを減らした先にどういう世界を実現したいのか」をイメージすることが大事です。

だいぶ極端な話をすると、世の中に流通する食品を冷凍食品や缶詰、レトルトなどの長期保持が可能な食品のみにしてしまえば、食品ロスはぐっと減るはずです。
でも、そのような世界は望ましいでしょうか。
私は冷凍食品も缶詰もレトルト食品も食べますが、「それだけ」の世界は求めません。

多様な食をこれからも食べられる世界を造り上げていくために、流通や食事の在り方を考えて、行動することが重要のように感じます。

「食品ロス問題」の問題
最後に「どうして食品ロス問題はこんなに複雑なのに単純化されてしまうのか」を自分なりに考えました。結論としては「食品ロスというネーミング」に問題があるように思います。

「食品ロス」という単語は非常にキャッチ-です。
これ以上なくシンプルで分かり易い。ものすごく完成された単語のようです。
定義の回でも書きましたが、おそらく多くの方が「食品ロス」の定義を聞く・調べる前に直感で理解出来たのではないでしょうか。そして、定義を聞いた後にその直感通りであった方が多いように感じます。
そして、これまた多くの方が「なんとなく悪いものだ」というイメージを持ってしまっているのではないでしょうか。

ただ、このテーマで何度も書きましたが「問題解決」には「問題定義」が重要なので、一見して物事のゴールが分かり易く見えてもこの手順は忘れてはいけないことがわかります。

と言う訳で、私は食品ロスというテーマが大好きです。
シンプルに見えて非常に深い。なにより向き合わないといけない。
もっと「実態」や「減らす方法」だけでなく、様々な角度から研究されていいテーマだと思うんだけどなあ。

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