秋田市公設卸売市場の余剰地にサッカーJ2ブラウブリッツ秋田の新スタジアム建設?ーその6 いったん完結編

秋田市卸売市場の再整備計画に関する話題も本エントリでいったん完結とします。
この度の再整備基本計画に思うことについて纏めます。

関連エントリはこちらとなります。
秋田市公設卸売市場の余剰地にサッカーJ2ブラウブリッツ秋田の新スタジアム建設?その2ーどうして卸売市場内にスタジアムが?
その3 秋田市場はどう変わる?(1)
その4 秋田市場はどう変わる?(2)
その5 事業シミュレーションの妥当性

5回に亘って秋田市卸売市場の再整備基本計画の内容、とりわけ余剰地の活用にサッカースタジアムという真新しさからも考察してきましたが通して感じることは
「どう稼ぐ場にするか、という視座が狭い」です。

卸売市場の再整備にあたり、整備後の市場使用料を増額するという判断はあって良いと思いますが、再整備後の環境をそれ以上の利益を創出できる場とする計画とは読み取れないのです。特に、卸売市場の施設規模を圧縮する計画なのですから、量より質をどう図っていくか、が読み取れません。
・「必要となる機能」によって取扱う商品の価値がどう上がり、単位当たり流通価格はどの程度の向上が見込まれるでしょうか。
・「DX」により効率化される業務のイメージは明確でしょうか。費用対効果などはどうでしょうか。
・「重視する考え方」の「新しい連携」とは、何処と何処を、どう繋ぎ、どういう効果が見込まれていますか。
少なくとも、この辺りが明確となっていなければ本件は「絵に描いた餅」にすらなっていないです。

どう稼ぐ卸売市場に変貌するかを構想し、検討を重ね、立てられた計画として想定される流通額がどう予測され、それに掛かる費用と市場使用料のバランスはどのあたりが妥当なのか、が見えてこない点は残念なところです。

余剰地についても新スタジアムを想定するのであれば、新スタジアム名称のネーミングライツによる歳入は見込まなくて良いのでしょうか。現在でもブラウブリッツ秋田のホームスタジアムである八橋運動公園陸上競技場は株式会社ソユーをネーミングライツパートナーとして「ソユースタジアム」としているではないですか。令和4年4月から令和7年3月までの3年契約で年あたり385万円(税込)となっています。

ネーミングライツの契約金額等は各自治体や応募パートナー次第なところはありますが、埼玉県さいたま市は市営大宮公園サッカー場(ナックファイブスタジアム大宮)のネーミングライツ契約料についてホームスタジアムとする大宮アルディージャがJ1に昇格した場合、年あたり契約料を500万円上乗せする契約としています。(まあ現実は。。。)。このように、強かに「稼ぐ」アイデアは至る所にあるのです。

卸売市場の運営は黒字でなければいけないか?
個人の意見ですが、卸売市場の運営は黒字が絶対とは思いません。食料インフラという公共性の高い事業であり「儲ける」が第一に無くても良いと思います。そもそも現時点で、営業黒字の卸売市場が全国にどれほどあるのか。
但し赤字であった場合に、その分を補填するのは基本的に地域の市民・県民の税金となります。卸売市場が赤字であっても「地域の食料インフラ維持のため」と地域住民の方が理解し、支える姿勢であれば馬鹿なコンサルがいくら騒ごうが無視して構いません。

しかし「どう稼ぐか」というビジョンが不明確なまま、再整備が進み、累積的な赤字を積み上げてしまえば、その時に出てくる「卸売市場不要論」に抗うのは困難です。本テーマは秋田市卸売市場が主題なので、秋田市ばっかり責めてしまっているように見えます(ごめんなさい)が、卸売市場の再整備を行う各自治体はもっとこの点をしっかり認識すべきと感じます。

本話題の結論
個人的な想いとしては「北側余剰地を新スタジアムとする計画のもと「稼ぐ」イメージを明確にしたうえで再整備を進めてほしい」となります。そして「ブラウブリッツ秋田には新スタジアムのもと、より魅力的なクラブになってほしい」と強く感じます。
昨日のエントリの通り、北側余剰地が新スタジアムとならないケースは秋田市・秋田県の食料インフラの維持にとって最大のリスクです。再整備計画を一から検討し直さなければいけないレベルでの停滞となります。(Jリーグもそういうことまで分かってくれないかな。)是非とも余剰地の想定は現状のもののもと、再整備後の卸売市場がどのような付加価値を産み出す場となっているかを明確にし、そうした期待値に基づいた市場使用料の設定がなされることを期待します。

ブラウブリッツ秋田サポーターの皆様におかれては、「クラブにとっての良し悪し」だけでなく、地域の食料インフラまで含めた話はあまり聞く機会はなかったかと思いますが、秋田市民・県民としてクラブだけでなく地域を支える観点からも応援や支援を宜しくお願い致します。ブラウブリッツ秋田が魅力的なクラブとなれば、新スタジアムも再整備後の卸売市場も秋田市・秋田県も活性化しますから。

新スタジアムに行けることを楽しみにしています。
そのときは、もちろんお互いJ1で。

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