秋田市公設卸売市場の余剰地にサッカーJ2ブラウブリッツ秋田の新スタジアム建設?ーその2 どうして卸売市場内にスタジアムが?

おかげさまで昨日のエントリにはXから多くの流入を頂きました。
ブラウブリッツ秋田サポーターの皆様、こんにちは。私は翼を授かる予定のサポーターなので来期はお会いしたいですね。

こちらのホームページは普段、生鮮卸売市場や食品卸企業の方に向けて情報発信をしています。今回のエントリは一般の方にも関心を持っていただけたので、「どうして新スタジアム(の候補地)が卸売市場内なのか?」という点について解説したいと思います。

秋田市卸売市場は昭和50年に開業し、今年で49年目となります。これは全国の中央卸売市場(秋田市卸売市場は青果・水産は平成24年に、花きも令和6年に中央市場から地方市場へ転換となりましたが)の中でも老朽化が進んでいる方となります。

(出所:農林水産省「食品流通をめぐる情勢(令和6年7月)」p.84より)

老朽化することで、修繕費が掛かることはもちろん流通が非効率な状況であったり、品質管理面で必要な規格をクリアすることが出来ず、輸出仕向けの荷物が取り扱えないなどのマイナス面があり、再整備が必要となります。

卸売市場の(大まかな)動向
卸売市場を経由する生鮮品は減少傾向となっています。下記は秋田市卸売市場の流通量・流通金額の推移です。

(出所:あきた市場マネジメント株式会社「秋田市公設地方卸売市場 年報」より株式会社ジャスタコンサルティング作成)

この傾向は秋田市卸売市場だけではなく、日本全国大半の卸売市場にみられるものです。要因として、生産者の減少による出荷量・額の減少や卸売市場を経由しない流通の増加(輸入品や生産者と小売店・外食店の直接販売など)などが挙げられます。古くからある建物はより多くの荷物を取り扱っていたでしょうから、往年の取扱量と比べれば場内のキャパシティを持て余している状態となっています。

加えて、流通量・流通金額の減少は卸売市場自体の収入減に繋がります。卸売市場の運営主体(開設者といいます。)は卸売市場を利用する関係者からの市場使用料収入が主な収入源です。市場使用料の取り決めは「取扱金額の何%」といったものや「使用している面積に応じて」など色々あります。どちらにしよ流通量・流通金額が減っている状況は市場使用料の減少と卸売市場開設者(秋田市卸売市場の場合は「秋田市」)の財政を圧迫することに繋がります。

卸売市場再整備のトレンド
そのため卸売市場を再整備する目的として、市場流通の機能(流通効率化や衛生管理など)強化などに加えて、財政基盤の強化(ひいては持続可能性強化)というものも求められます。そうしたなかで卸売市場再整備の全国的なトレンドは「キャパシティを余している市場機能をコンパクトに再設計することで、既存施設内に余剰地を作り出し、その余剰地を賃貸借することで市場使用料だけでない収入源を創出する。」こととなっています。実際、商業施設を併設したり、物流施設を入居させたりするケースが増えています。

そうした卸売市場再整備のトレンドと、前回のエントリの通り「新スタジアムの建設が喫緊の課題」だったブラウブリッツ秋田の意向がタイミング良く嵌ったケースが今回の「秋田市卸売市場内新スタジアム構想」の大まかな経緯といえます。卸売市場再整備において余剰地に競技用スタジアムを建設したケースは無く、新たな卸売市場活用のケースとなるか注目した次第です(勿論、まだ実現するかは分かりませんが。)。

こうした事情も理解されると、秋田市や秋田県、そしてブラウブリッツ秋田にとって三方良し(もっと当事者はいると思いますが)となるか、検討しやすくなるのではないでしょうか。

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