昨日からの続きですが、政府備蓄米が放出可能となる様に指針が変更されました。
備蓄米放出、流通不足時も 指針見直し了承 農水省
日本経済新聞(2025年2月1日)
先だっての江藤農水大臣の定例会見のリンクも貼っておきます。
江藤農林水産大臣記者会見概要:農林水産省
”昨年からずっと申し上げてきましたが、米はあると。そして、昨年よりも18万トン多い、679万トンです。このような状況の中、米は十分に供給されているのに、市場に出てこないのであれば、どこかにスタックしていると考えざるを得ない。”
昨日の記事で書いた通りコメが行方不明といっても、まるっきりどこにあるか見当つかない・消えてしまったのではなく、平時の流通でないところに蓄えられている、という認識を持っておられるということですね。
この度の政府備蓄米放出への指針変更は、消費者にとって購入しやすい価格に抑えるというよりも、流通側に対して一旦落ち着くよう促すといった意味合いが強いものだと感じます。まあそのなかには混乱に乗じて儲けようとする事業者を諫めるものも含まれているでしょうか。
現時点では、政府備蓄米を放出するかどうかは決定していません。備蓄米が放出されれば、コメを抱え込んでいた事業者は大損してしまいます。そこで「いつでも放出できるよ?」と牽制しておくことで、抱え込んでいたコメ在庫が分散していくように、ちょっとでも流通が落ち着けばよいですね。
…連日に様にコメに関する報道やいろんな専門家のコメントが出てくるわけですが、各人のポジションやコメに関するスタンスの違いから、この問題自体がめちゃくちゃになっているように感じます。
・コメの生産を維持するために価格の高騰はむしろ歓迎なコメ農家
・コメの店頭価格が高くなって困っている消費者
というように、コメ農家に儲かってほしいのか、そうでないのか
・コメは食品安全保障の核であり、保護するべきだ
・コメだけを保護するのはパンや麺の業界に対して不公平だ
というような、所属業界でのスタンスの違いなど
以前、食品ロスの記事でも書きましたが、「問題解決」に向けた最初のステップは「問題定義」です。実際のところ、米穀業界・産業として解決しなければいけない問題と、社会生活としてのコメ問題とがごちゃ混ぜになりすぎだと思います。
私自身、米穀産業のお手伝いをしたこともありますし、今後もコメを食べ続けたいと当然思っていますが、コメしか食べられない世界に住みたくもありません。多様な食生活を継続するために、あらゆる食流通のお手伝いをしているところです。
とりあえず、米穀業界・産業として解決しなければいけない課題に対応して頂きつつ、社会生活としてコメを食べ続けていくためにどうしていくか、くらいは別個の問題として認識して頂きたいものです。

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