コメが投機対象となったいま備蓄米放出はやむを得ない気がしてきた

相変わらずコメ界隈が騒がしくなっていますね。

「消えたコメ」茶わん26億杯分 在庫分散、国も把握できず
日本経済新聞電子版(2025年1月31日)
”農林水産省は31日午後、有識者会議で備蓄米放出に向けた制度見直し案を示す。放出に否定的な立場を変えたのは流通段階でのコメ不足が深刻になっているからだ。統計から試算すると、少なくともコメ約17万トン(お茶わん26億杯分)が市場に出回らず「行方不明」になっており、価格高騰につながっている。新たな買い手の台頭と在庫の分散で、状況把握に苦労する当局の姿が浮かぶ。”
(無料部分のみ転載)

コメが「行方不明」とされていますが、農林水産省が集計している民間在庫というのは「年間玄米仕入量500トン以上の出荷段階(全農、JA等の出荷業者)の在庫量と
年間玄米仕入数量4,000トン以上の販売段階(米卸等の販売業者の在庫量)」なので、それ以外のどこかにあるということは明らかです。到底、胃袋に収まる量ではないので、どこかの倉庫にあるのですが、考えられるのは「コメ農家」か「メーカー・小売・外食等の企業」のどちらかでしょう。

昨日になりますが、全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)ら米穀流通等の団体が農林水産大臣に対して「米穀の需給及び価格の安定」の要望書を出しました。下記のリンク先を確認いただければ、米穀流通各団体は「政府備蓄米の活用」を求めています。
全米販ら「米穀の需給及び価格の安定」を要請
ごはん彩々ニュース(2025年1月30日)
コメの「行方不明」先が富山米騒動と同様に問屋(流通)による囲い込みであれば、こんな要望は出しません(備蓄米が放出されれば相場は下がるので、囲い込みをしているだけ損)。

食料安全保障上の緊急時以外で備蓄米が放出されるというのは、コメ価格に対する政府干渉(日銀の金融緩和に近いかもしれません)であり、基本的には歓迎されるものではありません。どこかの府知事が昨年夏から備蓄米放出を掲げていましたが、その時の状況とは違います。今や事業者によるコメの確保やコメ農家による売り渋りとして、投機対象になってしまったことが問題なのです。

コメの総数(需要を満たす供給)としてはあるものの、在庫は限られた事業者や農家が持つこととなり非常に不健全な市場と言えますので、介入もやむを得ないでしょうね。

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