昨日のエントリ 農林水産省「食品流通をめぐる情勢」を読むーその1の続編です。
第1章「我が国の食品流通の全体像」に(特にこのHPにアクセスされる方には)解説は不要でしょうから、第2章「我が国の物流の現状と課題」を見ていきます。8ページに物流の小口多頻度化、積載率の動向という内容があります。

「物流の小口多頻度化が急速に進行」とありますが、本当でしょうか。
こちらのデータ・グラフの出典は国土交通省の「全国貨物純流動調査(物流センサス)」であり、「着産業業種別流動量・流動ロット」のものです。「着産業業種」とは「荷受人となる業種」の事ですが、こちらのデータは全ての着産業業種における流動量(貨物量)・流動ロット(貨物1件あたりの貨物量)を抜き出しているもので、食品流通に限った傾向ではありません。内訳をみてみましょう。


(出典:「全国貨物純流動調査(物流センサス)着産業業種別流動量・流動ロット」、株式会社ジャスタコンサルティング作成、以下も同じ)
重量ベースの流動貨物量は減少傾向にありますが、流動件数はでこぼこしながらも増えているように見えます。流動件数の内訳で大きく構成を増やしているのが、濃い青色の「その他産業」及び茶色の「個人」です。「その他産業」の構成が増えている背景には「飲食サービス・宿泊業」(2005年の全流動件数の構成比では2.1%が2015年では12.8%)や「医療・福祉」(同2005年:1.8%、2015年:4.7%)。「個人」も2005年の全流動件数の構成比では2.4%が2015年では6.6%となっているように、「小口多頻度化」の主要因はこれら荷受に対する物流といえます。
では、食品流通(to 卸、to 小売)はどう変わっているかというと、、、


流通貨物量は2015年までは減少傾向でしたが、2021年には2005年の水準まで回復しています。コロナの影響で飲食サービス業から遷移してきたのでしょう。ただ、流動件数は2015年より減っています。ここから得られる貨物1件あたりの貨物量の推移は、

と、少なくとも食品流通(to 卸、to 小売)においては「小口多頻度化」は下げ止まっているようです。
本稿のページは国土交通省とかでも使われている(例えば、これ)横断的な使いまわし資料なのでしょうが、「食品流通をめぐる情勢」とタイトルをつけた資料であれば、そちらにフォーカスした内容にしてほしかったところです。

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