食品ロス削減のため安全係数の引き上げが議論されているようです。
食品ロス削減に向け「安全係数」見直しへ 賞味期限延長の考え 消費者庁など
日テレニュースNNN(2024年12月24日)
”消費者庁などは食品ロスの削減に向け、賞味期限を設定する際に算定基準となる「安全係数」の見直しを行うなどの方針をまとめました。 政府は、食品ロスを2030年度までに2000年度の980万トンからおよそ半減させることを目標にしていて、メーカーが調べた商品を安全に食べられる期限からどの程度余裕をもって賞味期限を設定するかの基準になる数値である「安全係数」を引き上げ、賞味期限をのばしたい考えです。”
安全係数は設定した賞味期限に対する所謂「バッファ」なので現行目安の0.8(0.7~0.9の間で設定せよ、という案内を出しているところもあります。)に明確な根拠があったものではありません。更に、引き上げに対して食品衛生上の明確な根拠もまた無く(どうにか作文するのでしょうね)社会的な要請による引き上げとなるのでしょう。
賞味期限を設定する主体は当然ながら、当該の食品を製造した食品製造事業者にあります。食品製造事業者にとって賞味期限を延長する利点は何か?ということを考えなければいけません。
設定した賞味期限内で適切な条件下で保管されていたにも拘らず、流通・消費前の段階で問題が発生していた場合は当然ながら食品製造業者の問題となります。
一方で、一般的には食品製造業者によって製造された商品は卸⇒小売と経由されます。完成した商品が食品製造業者の倉庫で廃棄になることは殆ど無いでしょう。賞味期限の延長によって食品ロス削減による経済的恩恵を受けるのはより川下に近い事業者となります。
ですので、食品製造業者にとって賞味期限を延長することはリスクこそあれ、メリットが殆ど無いのです。
1社だけが群を抜いてロングライフ化していればメリットはあるでしょうが、掲題の安全係数の様に全体的に引き上がってしまうと、尚更食品製造業者にリスクを負わせるだけのものになってしまいます。
ですので賞味期限引き上げと、それに基づく食品ロス削減の貢献に対して食品製造業者へのインセンティブが流通間で設定されるべきなのです。

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