近代食品流通史-その2海外食品小売チェーンの進出と撤退

すっかり久しぶりになってしまいました。
↓の続きとなります。
近代食品流通史-その1

簡単におさらいすると…
・戦後日本の食品小売業はアメリカ発祥のチェーンストア理論に大きな影響を受け成長をしてきた。
・但し、日本には戦前より卸売市場を核とした流通が整備されていた。
・そのため、日本の食品小売各社が実践してきたチェーンストア経営はアメリカのチェーンストア経営と異なり、”日本型チェーンストア経営”である。
・この”日本型チェーンストア経営”は2つの誤算を生んだ。
という感じ。本エントリはひとつ目の日本のチェーンにとって嬉しい誤算を解説します。

2000年前後になると、海外の食品流通小売が相次いで日本のマーケットに参入してきます。

英テスコ、米ウォルマート、仏カルフール、独メトロあたりが有名どころでしょうか。海外食品小売が参入してきた経緯は至極簡単で、
「日本ではチェーンストア理論を実践しているチェーンが成長しているらしい。」
「チェーンストア理論を知り尽くしている我々が参入すれば、日本のチェーンよりももっと上手くやれるはずだ。」というものでしょう。

しかし、こちらの記事でまとめられている通り、これらのチェーンは2010年代前半には日本のマーケットから撤退してしまいます。
海外食品小売チェーンが日本のマーケットで上手くいかなかった理由は様々な視点で考察されていますが、端的に「卸流通を基盤とした日本型チェーンストア経営が求められるなかで自国のチェーンストア経営によるノウハウが通用しなかった」点が最も大きいのではないかと思います。

海外の食品小売チェーンで、日本でもポジションを獲得できたと言えるのはコストコぐらいではないでしょうか。コストコ自体、卸に近い業態でそれ自体の物珍しさはあったでしょうが、テスコ、ウォルマートの様な”純粋なチェーンストア”でない点が運営コストの面で日本でも無理が無かったと言えるのではないのでしょうか。

卸流通を基盤とした日本の食品流通制度のもとで、構築・成長してきた日本の食品流通は海外のディスラプター(マーケット破壊者)の侵入を阻止するのに大きな貢献をしてきたと言えるのではないかと考えています。日本のプレイヤーは卸に足を向けて眠れませんね。

しかし、日本の食品小売業にとって、”日本型チェーンストア経営”は良いことばかりではなく、もうひとつの悲しい誤算が待っているのであった。

次回へ続く。

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