近代食品流通史-その1

今日の日経新聞・中村直文編集委員によるオピニオンが目に留まりました。

(Deep Insight)人口減下の小売り「新御三家」
日本経済新聞(2024年11月7日朝刊)

有料記事なので転載はしませんが、大雑把に纏めるのであれば、
・小売の主役はセブン&アイやイオンから交代しつつある。
・人口増加の時代は多店舗化での成長は保証されたが、人口増の鈍化で従来のモデルは行き詰った。
・新たな主役は低価格だけではなく、独自の売り場・商品づくりにより、多様化する消費者志向に対応している。
・政治も経済も過去の成功パターンは通用しない。

…最後に政治と結び付ける必要はそれほど高くなかったと思いますが、社会の変化とともに小売も変わりつつある様です。

記事では「小売チェーンの盛衰」が紹介されているものの、紙面の都合でだいぶ簡略化されています。その辺りをこちらのブログでは深堀ってみたいと思います。

食品小売流通のざっくりとした時系列を纏めてみました。

(出所:株式会社ジャスタコンサルティング作成)

青字が関連法関係、緑字が主要チェーンの動き、橙字は社会情勢です。
勿論、もっともっとあるんでしょうが。

戦前~戦中は価格統制令や食糧管理法により国主導の供給体制でしたので、食品流通は戦後改めて発展していく形となります。そして、戦後の食品小売(正確には食品だけでなく、多店舗小売全般に言えるのですが。)はアメリカ発祥の「チェーンストア理論」に大きな影響を受けて発展してきました。

チェーンストア理論は日経新聞のオピニオンでも記載されていますが「店舗の標準化や大量仕入れに伴う低価格化」が鍵となります。可能な限り店舗間で取り扱う商品・サービスを同一化し、大量に・安く調達することで、その分安く販売出来るというものが基本的な考えとなります。

このチェーンストア理論を実践したダイエー、イトーヨーカ堂、ジャスコ、西友が1970年代~80年代の流通の主役となったわけです。

ただ、これらプレイヤーによるチェーンストア経営はアメリカや欧州で展開しているチェーンストア経営と異なる点があります。それは「日本のチェーンストア経営は卸流通という基盤の元に構築されたもの」です。

上の年表の左端を見て頂ければわかりますが、太平洋戦争前の1923年に卸売市場法の前身である中央卸売市場法が制定されています。つまり戦後日本の食品流通の発展には卸流通ありきで発展したものと言えます。

対して、アメリカでは小売流通のプレイヤーが生産と小売の懸け橋となる機能を保有しているケースが多くなっています。一般にディストリビューターと呼ばれてます。

この日本型チェーンストア経営は、実践する日本のプレイヤーにとって大きくふたつの誤算があったと私は考えています。ひとつは嬉しい誤算、もうひとつは悲しい誤算です。

続きは次回。

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