その他トピックスの第3弾は令和5年度食品等流通調査についてです。
労務費・原材料費・エネルギーコスト上昇分が価格に転嫁できているか、といった実態調査となっています。
報告書はこちら
より細かなアンケートデータ集はこちらから見れます。
閣下の概要は下記です。まずは価格転嫁。

色々ポイントはありそうですが、生鮮食品に関しては「加工食品に比べて価格転嫁が進んでいない」、「特に、スーパーへの納品において価格転嫁が進んでいない状況」と結論付けられています。その理由として報告書41ページの「ヒアリング調査⼩括」には「⽣鮮⾷料品においては、市場取引だけでなく相対取引においても市場の需給に応じて価格(相場)が決定されるため、肥料等の⽣産コストの上昇分の価格転嫁が難しい状況と回答する事業者が多かった。」と記されています。これは価格形成の手段が「経費(コスト)の積上」ではない分のネックが出てしまっているようです。
報告書8ページの「ヒアリング調査で得られた個別の取組事例や課題<価格転嫁>」での卸売市場関係者の声として「加⼯⾷品が軒並み値上げされる中、せめて⽣鮮品の売価は抑えたい⼩売サイドの思いが強い。」というコメントがあります。集客の目玉として生鮮品の安さをアピールしたいということでしょうか。では、消費者物価の状況はどうなっているか見てみたいと思います。

(出所:index-23.pdf (maff.go.jp))
流通経費が卸売価格に転嫁されていなく、小売としても生鮮品は安く売りたいという意向であれば、「食料全体」と「生鮮食品を除く食料」は差分が出るのではないかと思ったのですが、ほぼ連動しています。念のため、別統計でも価格の動向を見てみます。

(出所:農林水産省「食品価格動向調査(野菜)の結果)」より株式会社ジャスタコンサルティング作成)
令和3年4月5日週との比較ですが、生鮮食品の小売価格は軒並み上昇しています。
更に、卸売価格の変動も見てみます。上の価格動向調査で直近の指数が最も高くなっている「たまねぎ」の卸売価格は以下となっています。

(出所:農林水産省統計部「青果物卸売市場調査(日別調査)」。こちらのページを参照。※濃い青グラフが日別の卸売価格、薄い青グラフは前年の卸売価格、灰色のグラフは平均値。)
グラフの波形だけみれば小売価格と卸売価格は連動しているように見えます。2022年5月に価格が急激に上昇したのは各地の不作や作付け減によるもので、出荷量に応じた価格形成にはなっているが、生産・流通経費は反映できていない。という見方なのでしょうか。
でもこのままでは流通が持たなくなってしまうので、価格形成の在り方は変えていかなければいけませんね。

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